KISS-FMの有価証券報告書について(粉飾疑惑関連)
KISS-FMの経営については、各種報道ではあまりにもわからないことが多いので有価証券報告書(近畿財務局へのEDINET提出書類)が無料閲覧できるサイトがありこれで少し疑問が解決できればと思いました。
たとえばfinance.firstlife.jp
http://finance.firstlife.jp/edinet/doctext/R070GPRM/?hl=kiss-fm
これらは、時期的にも古く、今回問題となっているものとは直接的に関係ないのかも知れません。
しかし発行株式総数、資本金の推移、大株主の状況、売上高などは参考になります。
これらを見まして、新たな発見(知っている人には常識かも知れませんが)がいくつかありました。
(1)平成7年7月27日に資本金を16億5000万円から9割減資をされています。(14億8500万円の減で1億6500万円となる)
そのとき、株数を減少させるのではなく、発行済み株式33000株を1株当たりの額面金額(券面額)を5万円から5000円としています。
(2)さらに平成7年9月13日に、有償第三者割当で5万7千株(1株5000円)2億8500万円を集め資本に組み入れています。
したがって、発行済総数9万株となった。このあたりでの大株主は ダイエー(8100株)UCC(7650株)、伊藤ハム、朝日新聞、フジコン食品、神明など、
個人としては、阿久悠(KISS取締役最高顧問でもあった・会長職だった?)や神戸の財界人が多かったようである
なお、兵庫県や神戸市、姫路市、尼崎市など「政府および地方公共団体」の所有株式数は合計でも3300株(3.7%)ときわめて少数。
(3)平成19年3月31日現在では、FM東京が13495株(14.99%)と筆頭株主、ただし、増資はしておらず、発行済総株数は9万株と平成7年9月と同じ
したがって FM東京には既存の株主から売却されたことになる。朝日新聞(5280株)のみが継続して大株主となっており、株数は従来と同じで増減していない。
ダイエーの所有していた株数(8100株)と同じ株数を平澤正博氏が取得(9%)しており第2位の株主となっている。さらに平成19年9月時点には12006株に増加している。
エイベックス社(3600株)は、阿久悠との関係でひきうけたのだろうか?阿久悠が所有していたのと同じ株数である。
(4)平成19年8月30日現在では、第2位、4~7位の個人株主が現職の役員という状況になっており、これらの株数と筆頭株主のFM東京を合計すると約45%になる。さらに公開されていない10位以下の株主を
含むと、ものすごい権利を確立したと想像できる。
(5)2007年8月16日提出の訂正報告書では、取締役の選任について3分の1以上の議決権を有する株主が出席し、その議決権の半数で行われるとし、「選任決議は累積投票によらない」とされている。
会社法では、2人以上の取締役を選任するときは、累積投票が行えるとしているが、これは少数株主から取締役を選任できるようになったものという。
しかし定款で「累積投票を認めない」と定めることができるとされており、これを意識して訂正されたものでしょう。
すなわち、34%の議決権を集めれば、新取締役の選任だけでなく意に沿わない取締役の選任を阻止できるということなのでしょう。
(6)連結子会社のKFE社を、実質支配しているため子会社、(役員兼任3名)、債務超過会社らしいです。2007年6月22日提出の書類では約3800万の債務超過。資本金1000万円の会社で3.8倍もの債務超過は正常なのでしょうか
ところが 2007年12月28日提出半期報告書から、「KFE社が当社の議決権の0.61%を取得し支配関係が逆転」「重要な影響力がない」との理由で「関係会社から除外」している
(7)今回の各社の報道ではよくわかりませんでしたが、このKFE社の現在の財務状況が健全か?、役員報酬が妥当なものか?(債務超過なら高額な役員報酬はおかしいように思えますから)
そして残念ながら、最近の(2008年度の決算など)は見つけられませんでした。ただ、これらのデータを見ると、当初16億円のお金を県下市町村の税金をはじめ、地元企業が出資した県域放送局が総額6300万円の第三者割当で筆頭株主がかわる
という疑問は少しだけ事情がわかったような気がします
http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/0002589293.shtml
しかし、平成19年3月の売上げは7億6493万円、これは平成17年3月の10億1498万円から減少、これが一連の報道どおり「19年度に約2億円、20年度に約4億円の水増しが確認され、粉飾決算の可能性があることが判明」ということなら事態は深刻です
兵庫県や神戸市をはじめとする地元への説明はあったのでしょうか?
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FM東京系列になって、経営改善されなかったということですね。独立局のままのほうが良かったと思います。
投稿: サウンドクルーは行方不明 | 2010年2月16日 (火) 09時55分
サウンドクルーは行方不明さん書き込みありがとうございます。
このあたりのことについては、サー伯爵さんがこのブログでも12月に説明いただいております。
ただ、当時私は「粉飾決算疑惑」などが報道されていなかったので旧社長のことを理解できていなかったようです。サー伯爵さんの書き込みをそのまま信じられなく、一般的常識の範囲で対応したため、今となってサー伯爵さんの発言の重さを感じます。
サー伯爵さんは「会社として、震災の前後には12億あった年収も、今やその半分もいかないぐらいとも伺いますし。」と鋭く指摘されておりました。一方で好調な決算の状況・・そのあたりを気づかなかったのですから。
投稿: 西川敏弘 | 2010年2月18日 (木) 02時59分