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2008年3月 1日 (土)

AMとFMの違い

ラジオ放送技術の入門話題シリーズ(1)

AMとFMの比較

わが国ではAMラジオというと、中波帯といわれる530-1605kHz、FMラジオはVHF(超短波)帯の76-90MHzの周波数の電波を使用しているため、(1)周波数の違いによる電波の飛び方(電波伝搬といいます)の違いと、(2)本来のAM(振幅変調)/FM(周波数変調)という変調方式の違いによる電波の性質の違いを一緒にした説明をされる人が多いのでこのあたりから区別して考えてみることにします。
 まず、周波数の違いでk(キロ)とM(メガ)の違いですが、これはキロは1000(10の3乗)、メガは1000000(10の6乗)の意味から考えてわかるよう、1000KHz=1MHzの関係ですから、558kHz=0.558MHzという表現もできます。したがって、ABCの電波(1008kHz)とFM大阪(85.1MHz=85100kHz)を比べると85100/1008=84.42倍となります。ただし、周波数というのは電気信号の極性の入れ替わりが1秒間に何回あるかという意味です。ちなみに人間の耳に聞こえる周波数は20Hzから20kHzということです。
 電波の場合、周波数が違っても電波の速度はかわらず、約300000000m/秒(1秒に地球を7周半伝わる)ですから、電波の長さ(波長)は、この1秒間に伝わる距離÷周波数で求められます。計算しますと1MHzの電波の波長は300mであるのに対し、85MHzの電波の波長は約3.5mと、周波数が高くなると波長が短くなります。
 この波長が短くなると、波長の短い電磁波=光の性質に近づきます。また波長がある範囲の長さであれば、上空にある電離層によって反射したりします。電離層も気温等によって状態が変化しますから、日没後中波ラジオが電離層の反射によって遠方からの電波を受信することが可能になります。一方MHz帯の電波は波長が短いのでこれらの電離層は通過してしまい反射することはありません。サッカーゴールにパチンコ玉を大量に投げても通過するのがほとんどと同じです。
 一方 変調方式の違いというのは、電波に音声信号を振幅を変えるように乗せるのが振幅変調AM、信号の変化を電波の送信周波数の変化にするのが周波数変調FMです。この違いは音質の違いによって現れていることは聞けばわかることですので同じ音楽をAMとFMで聴くとAMでは高域がカットされていることからわかります。
 FMでは周波数を変化させるため、電波が広がる現象があります。しかしそのようなことを認めると他の周波数の通信・放送に混信など迷惑をかけるため、最大周波数偏移75kHz、信号波の周波数を15KHzに制限しています。これでも理論上占有周波数帯域幅は2×(信号波+最大周波数偏移)=2×(75+15)=180kHzとなります。 電波法ではFM放送局は200kHzまでの電波の幅(占有周波数帯域幅B)が認められていますが、それだけ周波数を必要とします。AM放送では15kHzの占有周波数帯域幅ですから FM放送1局分の周波数でAM13局が入ることになるのです。このことは電波の電力が同じ10kWだったとしましても、FMなら200kHz分の幅の電波で10kW AMなら15kHzの幅で10kWならどうなるのかは、電力=面積のイメージで考えていただくとわかると思いますがAMの方が幅の狭い分、能率の良い電波発射となります。山の上に送信所がある10KWのFM大阪と、海岸にある20kWのラジオ関西の電波の飛び方が電離層反射以外でも圧倒的にAMが遠方まで届くのは、AMという音質は悪いが電波の幅が小さいというのと関係があります。ちなみにテレビでは音声以外に映像信号を含むためかなり幅の広い電波を必要としました。これらの幅広い周波数の信号を増幅するのと、幅の狭い信号を増幅するのではどちらのほうが電力を必要とするかはおわかりいただけると思います。このことは受信でも同様であり、同じラジオでもFMラジオの方が受信するのに多くの電力が必要になります。もっともFMラジオの回路も複雑なのですが・・そのため、こじつけといわれるかもしれませんが電池の消費量もAMは少ないのが一般であり、災害時には強い理由のひとつと思います
 今回はAMとFMを違う角度で比較しました。AMが技術的に劣っているのではなく利点も多く、古い変調方式なのに現在も残る理由を考えてみました

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コメント

かなり難しいお話のようですので、
改めて読ませて頂きますが、一つ質問があります。

兵庫県の3つのケーブルテレビ局が、
ラジオ関西の電波をFM波で再送信をしているようですが、このような場合、やはりラジオ関西にお伺いを
たてなければならないのでしょうか・・・?

そしてこのような動きを、局側は、どのように捕えているのでしょうか・・・?

ご質問の件については後日、新規記事として扱わせていただきます
なお、ケーブルTV局のFMラジオの信号は、ケーブル内を通るものですから電波法でいう電波を出しているということではないのですが、放送内容そのものはラジオ関西ならラジオ関西に著作権がある著作物です。したがって、いくら免許を受けたCATV局といえども勝手に再送信するのはできないということになるという考えも成り立つのです。一方 ケーブルTVは電波障害対策として有効な手段ですから放送エリアのテレビを放送するのは当然のように行われています。したがって許可を与えるという形なのでしょう(これはあくまで推測です。)
放送エリア以外なら、問題とされるケース(たとえば県域のサンテレビが四国で中継)では、たとえ当事者がメリットがありよくても競合放送局の不利益から問題にされたりします

これらは 専門用語で「再送信」「区域外再送信」といいます。一度検索されるといいのですがいろいろなケースがあることがわかります


インターネット配信になると音楽などの著作物がからむため、放送の著作権者のラジオ局でさえ、配信不可となり、音楽の特色あるラジオ関西などではこのように違った問題も起こるためインターネット中継は簡単にいかないのではと思います。
以前 有線放送がラジオの放送を流していましたが 問題になったため姿を消したような記憶もあります

理論上占有周波数帯域幅は2×(信号波+最大周波数偏移)=2×(75+15)=180kHz
どこから導出したんですか?

お尋ねの式は、導出したものではなく「カーソンの帯域幅の近似式」といわれる一般的に知られた式です。正確にはこれにより求められる周波数帯域幅は、本来の占有周波数帯域幅の95%に相当するものです。
大学(工学部)の電子工学系や通信工学系統では教科書で説明されているのではと思います。
カーソン帯域という説明がされているものもあると思います。これらのキーワードでインターネットでも十分検索可能です。
一方、わが国の電波法では、本来の占有周波数帯域幅、カーソン帯域という上記2つのいずれでもなく
電波法施行規則による周波数帯域幅の規定は 送信される電力のスペクトル全部の上端および下端から送信される電力の0.5%ずつを除去した周波数帯域幅をいう。とあり本来の占有周波数帯域幅の99%相当です。
したがって、このあたりが複雑なのでこのような表現にしたのです。
数学や物理でいう「理論式」ではありませんが、ご存知と思いますが、これらを道具として使う工学では「近似式」も理論の中で大きな意味を持ち、電気工学などでは「電験」の理論分野も近似式が出題されるなど、近似式といえども広義の理論といえるのではと思います。たとえば「情報理論」という科目でも近似式は当然のように扱います
ここでは、アマチュアクラス程度のラジオマニア向け解説をしていますので「導出」とか、微積分とか理論式からの説明はしておりません。昨年もこの時期にいくつかの工業高専や私立工業大学の方からメールをいただいたことがあるのですが、貴方がどのような方かで説明の内容は違ってきます。
もし大学工専の先生や専攻科生・院生であれば説明内容がおかしいという意味なのかもしれませんが具体的にお示しください。
(IPアドレスは解析していますので工学系の学校と判断しています)

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